…安西君、赤髪さんの扱いお上手ですね。




でもそれよりも、
あたしは気になったことを紙に書いて賀川君に見せた。




"安西君の家に何かあるの?
何で賀川君ん家じゃなくて安西君ん家?"




紙を見た賀川君は、
困った顔をして悩み始めた。




「あーいや、んー…、




…あ、だってタツん家の方が俺好きだし!」




意味わからんよ。




ていうか"あ、"って、
いかにも今思いつきました!みたいな声
もろに呟いちゃってるけどね。




「は、ははは、
伊月ってばいつも俺ん家来たがるんだ!
落ち着くんだってさ。」




安西君が、ちょっとだけ焦った表情で
でも上手くフォローした。




バレバレだけどさ。




まぁ、知られたくないみたいだし問い詰めることはしないさ。
なんか事情があるんだろうね。




「そ、それよりも爽花さん!
賀川君なんてそんな他人行儀な呼び方やめてくださいよ!
俺のことは伊月でいいっすから!」




いやぁ、そんないきなり下の名前を呼び捨てって。
特別仲がいいわけでもないのになんか気が引けるよ。




「そうだ!じゃぁ俺ん家来ます!?
タツん家は無理だけど俺ん家なら!
定春も爽花さんのこと気にしてたんすよ!」




そういえば、会話してたよね、その定春っていう犬と。