「あ、そうだ!
俺まだ名前言ってねぇっすよね!
賀川 伊月(かがわ いつき)っす!同じく2年!よろしくっす!」
賀川伊月。
ホントは赤髪の元気な地味男。
神谷や安西君とまったく同じ格好をした男。
「伊月、この子は
泉爽花ちゃん。」
「爽花さんっつーんすか!
いい名前っすねぇ!
あ、よかったらタツん家来ますー?」
「はっ?ちょ、伊月何をっ…」
"タツん家"?
つまりは安西君の家?
何でいきなりそこまで話が進むんだ。
そして安西君の焦り方が半端ないのは何故?
そんなに家にあたしを入れたくないのか?
「いーじゃねぇかよ!
俺の恩人だぞ!?愛しき定春を助けてくれたお方だぞ!
な、タツ!家に招け!ご招待するんだ!」
「お前の家じゃないだろ!
それにウチに出入りしてるってどこかに漏れたら危険な目に遭うのは泉ちゃんなんだからな!?」
「…えー…でもさぁ、」
「お前の恩人嫌な目に遭わせんのか?」
「…ダメだけど、」
「そしたら、わかるだろ?」
「…チッ!わぁったよ!
アホタツ!」
