3号は、本当にかなり苛ついているらしく、
安西君の前の席に、乱暴に横向きに座ると貧乏揺すりを始めた。




眉間には深いシワが。




「くっそアイツら。
俺が何も言わねぇからって調子こきやがってよ。
あ゛ーもう。
こんな格好してなけりゃすぐさまボッコボコにしてやんのに。」




「ダメだからな!
ぜってぇ、ダメだ!」




2人とも、声は小さめ。
あまり知られたくない会話のようだ。




「わかってんよ。
けどな、さすがに我慢の限界も近づいてんだよ。
いつ爆発するだろーなぁ。」




「そんな他人事みたいにっ!
お願いだから終わるまでは問題起こすなよ!」




終わるって…なにが…




しかも"問題"って、この3号には似合わない言葉だ。




でも3号、神谷に似ている。
見た目もだけど性格の感じとか雰囲気が。




いやでも待て、コイツ
どっかで見たことある…?




神谷と似てるから、じゃなくて、
なんか、どこかで、会ったことがあるような…
気のせいかな…




そこでふいに、3号と目が合った。




その瞬間、




「っあ゛ーーー!!!!」




3号は、あたしを指差して
うるっさい大きな声を上げる。