3号は、安西君の席の前で止まった。




「おいタツ。」




「どうしたんだよ、伊月。」




「俺、やべぇ。
無理、今めっちゃ苛々してる。
まじむかつく。」




いやいやいやいや、え?
なにコイツ。
いきなり来ていきなり愚痴?




何だこの人は。




「え、伊月?
なんかあった?
いきなりなんだよ。」




「わりぃなタツ。
たぶん近いうちに俺、問題起こすな。」




「っは?
いやダメだろ!
なんとなく苛ついてる理由はわかった!
でも我慢!今はダメだ!」




…ちょっとまて。




"タツ"?




それって、神谷も言ってなかったか?
"タツ"って奴が過保護だとか心配性だとか。
そして確か、"伊月"という名前も一度出ていたはずだ。




安西君の名前は"たつや"。
それを、この目の前の3号は"タツ"と呼んでいる。




そしてこの目の前の3号の名前は
安西君が言うには"伊月"。




…えっと…これって、偶然なのか?