学校に着くと、なんだか今日は騒がしい。




廊下にまでも、その楽しそうな声が響いてくるので、
気になって足早に教室に入れば。




ガラッ




扉の開く音に、クラスメイトの視線が向けられる。




笑い合っていたからか、その名残で笑ったままの顔を向けられて
ちょっと嬉しくなった。




まぁ、あたしに笑いかけたんじゃねーけど。




それにしてもやっぱりこの人たちはカラフルだ。
髪だけじゃなく服の色や靴の色、カバンの色も様々。




しかし、その中で1人
違う奴がいる。




カラフルに囲まれる、
なんかちょっと違う奴。
神谷に、似てる奴。




「あ、もしかしてこの子?転校生って。」




もっさもさの長い黒髪。
その前髪で隠れかけている目はメガネの黒縁に囲まれていて、
制服は模範的に、真面目に、きっちり着こなされている。
はっきり言って地味だ。




か、神谷がいる。




「あ、ごめんごめん、ビックリした?
俺もこのクラスなんだけど昨日まで風邪で休んでたんだ。
泉爽花ちゃんだよな?
俺は
安西 龍也(あんざい たつや)。
よろしくな!」




しかし笑った顔は爽やかで優しそう。