次の日の朝。
起きてリビングに行くと、
ちょうど一琉が仕事へ出かけていって、
家に残ったのは輝と柚瑠だけになった。
猛はたぶん組の方に泊まりだと思われる。
「あ、はよ、爽花。」
「ふあぁぁ…おはよー姉ちゃん…」
食パンをかじりながら言う輝と、
大きなあくびをしながらソファーに寝転がって言う柚瑠。
おはよう、と口を動かして答えて、
キッチンで食パンを焼いて、
輝の向かい側に座る。
「爽花、学校、どう?」
そう聞かれて、一瞬どう答えようか迷ったけれど、
すぐにOKサインを出せば
輝は作ったように小さく笑った。
きっと、バレてんだろうな。
…でも、今日は昨日ほど憂鬱ではない。
だって、後輩にあいつ、神谷がいるとわかったから。
あたしを無視する奴らばかりじゃないってわかった。
神谷って結構むかつくけど、でも悪い奴じゃないと思うから、
ちょっと、気分が晴れた。
って言っても学年違うんだけど。