神谷のマシンガントークを聞いて
一番最初に思ったのがそれだ。




タツタツって、誰だ。




しかし神谷はまだまだしゃべり続ける。




「ほんっと、タツって過保護っつーか心配性っつーか、
ガミガミうるさい母親かって感じ!
まぁ、良い奴なんだけどよ!」




あたしは、ラーメンを食べながら神谷の話を聞いていた。




神谷もまた、
「いただきます」としっかり手を合わせてから
自分のラーメンを食べながら話をしていた。




「つーかさ、あのクソ伊月、
マジむかつくと思わね?」




いや、誰だよそのクソ伊月という奴は。
むかつくと思わね?って聞かれてもあたし知らないよ、その人。




「ここのラーメンうめぇな。
また今度ユウでも連れてくるか。
あ、なぁなぁ泉。
お前って何でしゃべれねぇの?」




ユウって誰だ、と
またしても心の中で疑問を感じていた瞬間に、
突如のあたしにとってナイーブな問いかけ。




あまりにも突然だったので、
ごふっ!という汚い音とともにラーメンを吹き出しそうになった。




「うわ汚ぇ!
お前もうちょっと上品にしろよ!下品女!」




うっさいよ。
お前がいきなりそんなこと、言い出すからだろ。
そして下品女言うな。




…声のことには、あまり触れないでほしかった。