「…ま、ありがとよ。」




偉そうだなオイ。




その上から目線と偉そうな口調と言ったらもう、俺様キャラ目指してんのかって感じなんだけど。




「とりあえず注文しようぜ。」




それにはあたしも賛成だ。
逃げるためにこの店に入ったが、このまま何も食わずに出て行くのはダメだと思う。




そう思って、もうすでに男子生徒が広げているメニューを覗き見る。




どれにしようかねぇ。
しょうゆ?とんこつ?しお?みそ?




「どれにすんの?お前。」




黙ってとんこつラーメンを指差す。




そしたら何か勘づいたような顔をする男子生徒。




「そういやお前、しゃべれねぇんだよな?
さっきの奴らが言ってたけど。」




見た目には似合わない口調。
でも何となく様になっている気がするのは何故だ。




男子生徒は、あたしの分も注文してくれた。




口パクで"ありがとう"を言いながら
両手のひらを合わせて小さく頭を下げる。




しかし男子生徒は素直じゃない。
「ケッ」と憎たらしく笑ってふんぞり返った。




…ツンデレ?