「待てやぁぁああ!!!」




待つか。




校門を抜け、ひたすら走った。




走って走って走って、って




「女だからって調子乗ってんじゃねぇぞ!!」




まだあいつら追いかけてきやがる!
あたしもうしんどい!




絡まりそうな足に鞭打って前へ運ぶ。




あたしに腕を掴まれたままの男子生徒は、もちろん一緒に走っているけれど、
かなり余裕そう。
息切れしているあたしとは違い、まだもっとスピードを上げれそうな感じ。




そこでもうすでに限界が近づいていたあたしは、
繁華街近くのラーメン屋さんに飛び込んだ。




「へいらっしゃい!」




飛び込んだ瞬間に、
元気な店員さんの声が掻き消えるくらい強く、
パタン!と扉を閉めて
入口のところで膝に手をつく。




しんっどい!
足いてー!!
久しぶりにこんな本気で走ったよ!
めっちゃしんどい!




と、1人乱れているあたしとはやっぱり違い、
男子生徒は余裕の顔つきで店内を見回している。




こいつっ…なんでこんな余裕!?




見た目運動できなさそうなのに!
なんでこんなに余裕なわけ!!




「お客さん~?
どうしたどうしたそんな息乱して~
ほれ、水だ。」




優しいオッチャン店員さんが、
男子生徒とあたしに水を渡してくれる。