それから、杏里ちゃん以外のクラスメイトたちも周りに集まってきて、
次々と質問されて人気者気分を味わいながらも、
答えるのがめちゃくちゃ大変だった。




さらに、転校生がいると聞きつけたのだろう
違うクラスの子や3年生、1年生までもが集まってきて、
授業中にもかかわらず、さすが不良校。
とにかく大変だった。








「どうして声出なくなったの?」




「もう一生出せないの?」




「何かの病気?」




残酷な質問に、泣きそうになることもあった。









「俺らのこと、騙してたわけ?」


「俺ら、すげぇ信じてたのに。」








『嵐っ!!!』


「嵐さん!?」








『父さんっ母さんっ…ごめんっ』


「さーちゃ、」


「お前のせいじゃねぇって!」


「さやか、」


「父さん、母さん、」








あの日、あの時の記憶が
脳裏に浮かぶ。