なぜ?




…なんて。
わかってる。わかっていたよ。
いつかはこうなること。




声が出ないあたしは
いちいち紙に書いたり携帯を使ったりしないと会話ができない。
もちろん本人のあたしが一番めんどくさいけど、
それを待つ方も相当面倒だと思う。
苛々すると思う。




転校してくる前の学校でだって、そのせいで友達をみんななくした。




だからわかっていた。
友達ができても、いつかはこうなること。




それがちょっと、早いだけ。
友達すらできていない、できる前にこうなってしまっただけ。




仕方ねーよなぁ。
声が出ないんじゃ、そりゃ面倒だわ。




…っまぁ、いいや!
1人は1人で楽チンだし!
周りに合わせたりする必要なっしんぐ!だしね。




…なっしんぐ、だもんな。




いいんだよこれで。
よかったじゃんか。友達ができる前で。
できてからじゃ、仲良くなってからじゃ
もっと辛かっただろうに。
そうなる前でよかったじゃんあたし。




言い聞かせるように、そう何度も心の中で呟いて
その1日を過ごした。




朝のうちは、転校生であるあたしの周りに
他のクラスや違う学年から来る人も何人かいたけど
結局昼を過ぎたあたりからはゼロ。
誰もあたしに近づかなくなった。




うわ、あたし超寂しい奴じゃん。
なんかいじめられてる奴みたいじゃないかよ。