あれ?昨日はあんなに集まってきていたのに。




たくさんいろいろ聞かれて、
超人気者だったのにあたし。




転校生ってこんなもん?
2日目でもう飽きられたん?早くね?




疑問に思いながらも、自分の席、窓際の一番後ろに座って
机の横にカバンをかける。




不良校、と言っても
やっぱり出席日数は大事なようで、
来ている人は結構いる。




不良校って、もっと人数少なかったりすんのかと思ってたけど。




周りを見回しながら、
目の前にある女の子の背中をツンツン、つつく。




目の前の背中、杏奈ちゃんの背中は一向に振り向かない。




どうしたんだ。
もしかしてツンツンが弱いの?
そーなのか?




それなら、と
今度は肩をバシバシ思いっきり叩いた。




そしたら当然振り向くわけで。
しかしその顔には怒りの表情が貼り付けられていた。




「ちょっと、何すんのよ!」




さすがにまずかったか、と
両手のひらを合わせて小さく頭を下げながら
声なしで、"ごめん"と謝る。




しかし杏奈ちゃんは予想以上に怒っていた。




ふっつーに無視して、視線をそらされた。
体ごと、前に向いてしまった。