そんな姉ちゃんは、声が出なくなったせいで、
面倒だ、と姉ちゃんの友達は、姉ちゃんの周りから離れていった。




それでも姉ちゃんは、
「一人になっちまったー!あ、でも一人の方がいろいろ楽チンかもなぁ。」
って、相変わらずポジティブに考えていた。




きっと、心の中は悲しみでいっぱいだったんだろうけど。
でも満面の笑みで、紙にそう書いて俺らに見せて。
楽しそうにしてた。
必死に、そう見せようとしてた。




だから心配だったんだ。
口には出さねぇけど、すげぇ心配だった。
転校して、せっかく友達ができたとしても
また面倒だと言われて離れていかれるんじゃねぇかって。
それとも、そういうので傷つきたくないから
最初から友達を作ろうとしないんじゃねぇかって。




たぶん今のところは大丈夫みたいだけど、
でも、
次は俺が姉ちゃんを守りたいと思う。




どうやったら守れるか、なんてわかんねー。
どうすれば最善なのかもわかんねー。
でも、それでも
あのとき俺を守ってくれた姉ちゃんのように
次は俺が姉ちゃんを守ってみせたい。




できたら悲しい思いをさせたくねーけど、
もしさせてしまったら、そのときは
どんなことをしてでもその悲しみを俺がとっぱらってやるんだ。








「仕方ねーから、次は俺が守ってやるよ。」




隣で眠ったばかりの姉の寝顔にそう誓った。








…あれ?
俺って結構、シスコン?




何それやだ。きもい。