が、とりあえず
突っ込む所が多すぎだ、っていうのが
この話を聞き終えてから最初に思ったこと。
まず、自分を"お姉さん"だと。
「柚瑠の、お姉さんです。」って。
「柚瑠の、姉です。」ならわかるが、
この阿呆姉貴は自分をお姉さんだと言った。
自分の姉の阿呆さに呆れた。
そして、いくら弟だからって、
その弟がいねーからって、
女みてー、だとか
生意気、だとか。
好き勝手言い過ぎだと思うし、
その流れで相手に、省吾に
俺へのいじめを認めさせてハメるとは。
ハメの上手さと性格の悪さに
逆に感心した。
でも、その後の。
省吾がハメられて「いじめた」と自白した部分を録音してたのは、
やるなぁ、とは思ったけど同時に
輝との血のつながりを感じた。
この悪知恵の働きとずる賢さ。
姉ちゃん、輝のこと散々言ってるけど
人のこと言えねーじゃん。
そして最後の、
クソアマ、という言葉に対しての反応がポジティブすぎてビックリした。
でも、それよりも
姉ちゃんは何でわざわざ
自分の友達が省吾を呼んでいると咄嗟の嘘をついたのか。
何のためにあのとき、唇を噛んで耐えたのか。
俺はずっと気になっていた。
でも、これも後から知った話だけど、
わざわざ友達からの呼び出しだと嘘をついたのは
周りからの嫌な視線を避けるためだったらしい。
姉ちゃんが、怒って省吾を連れ出せば
後から省吾や俺が、居心地の悪い思いをするだろうと。
机を少し蹴っただけで耐えたのは、
本当は省吾を殺したいくらいむかついてたけど、
そうしたら省吾はもっと俺を嫌いになって、
友達になれる可能性が少なくなるから、と。
姉ちゃんはどこまでも人思いで、
俺のことだけじゃなく、
"将来の友達"のこともちゃんと思ってくれていた。
