届け!

大丈夫だよ!って
元気に言ってやれないことがもどかしい。




だけど精一杯の笑顔で、
ピースをしてみせた。




「…そっか。
うん、まぁ、そんだけだ。
マジで言えよ!何かされたら!
そいつの指詰めてやるからよっ!」




こらこら、そんな普通にヤクザの世界の掟を口に出しちゃダメでしょうが。




猛は、ぶっ殺すとか沈めるとか埋めるとか、
とにかく怖いことをブツブツ呟きながら
部屋へ戻っていった。




そして、間もなく
次にやってきたのは輝だった。




ノックもなしに入ってきたかと思えば、
いきなりあたしの鼻先に
紙を差し出した。




何だこれ。




受け取って、見てみる。




書いてあったのは
今日初めて登校した、
転校先の学校、成陽高校について。




輝は何も言わず、さっさと部屋を出て行った。




もう一度、紙に視線を落とす。




生徒の数や、教師の数。
生徒の性格、教師の性格。
こいつは女好きだから近づくな。
この女はすぐ人イジメるらしいから関わるな。
この教師は不良が嫌いで、何かあればすぐに退学にしようとするから気をつけろ。
校長は優しいらしいから、他の教師よりも信頼はできる。




情報屋な輝らしい、優しさだった。