届け!

真ん前に座る伊月。
肩につくくらいの赤髪はご健在。
学校での黒髪眼鏡の姿なんて想像できない。




そして、その隣、
あたしから見て斜め前に座る神谷。




前に見た神谷は黒髪に眼鏡をかけていたはずだ。
しかし現在…




「飛び蹴りだぜ!?
いきなり現れてドッカーンって!」




ヤンキーやないかい。




一緒にラーメンを食べた時の、
あのワンコのような人懐っこい笑顔は変わらないが、
髪は、まっキンキン。
確かにあのとき、見た目と口調合ってねー
って思ってた。
今の見た目と口調ならバッチリ合ってるー
っと思う。




まっさかこんなにも見た目が変わるとは。




伊月よりは少し短い金髪を見て、
ちょっと感心というか、
おー…という気分になった。




それにこの2人、
神谷と伊月は仲良かったのか。




…さっき喧嘩してたけどね。




「それにしてもお兄様、カッコイイっすねー!
って言うより可愛いかな!犬みたい!」




「お兄様言うな。輝さんと呼べ、輝さんと。
君は、噂通りの愛犬家だね。
あと、…スヌーピーが好きなんだよね。」




「噂?
定春のことはさっき話したから…
え、でもなんで俺がスヌーピー好きなことを!」