届け!

「は?誰コイツら。」




柚瑠が訝しげに眉を潜める。




こ、こいつ…柚瑠…
まさかあたしの知らないところでもこんな態度なのか?
こんなに生意気なのか?
大丈夫かな。
そのうち猛のようなヤクザな奴に目でもつけられたり…




って、前にもこんなような心配してたっけ。




「爽花、誰?」




輝が聞いてきた。




「爽花さん!堂々二股っすか!?
カッコイイっす!ヒュー!
さっすがモテ女は違いますね!
でもなんかおもちゃを取られた子どもの気分!
悔しいっす!」




「生意気にイイ男2人も連れやがって。
泉のくせに生意気~」




…あんたら、ホント何しにしゃべりかけてきた?




それに生意気生意気ってねぇ。
この中で一番生意気なのは柚瑠だからね。
あたしじゃない。




「つーかこの前も爽花さんの彼氏らしき人いましたよね!
この2人とは違う人!」




「マジかよ!っつーことは三股!?
うっそだろオイ!で、どんな奴!?」




「めっちゃ厳ついぜ!ヤクザみたいだったよあれ!
超強面!まるで鬼!
でもイケメン!でも熱血!
"俺のサヤカ"って元気よく叫んでたんだ!
可哀想になぁ、あの人。
爽花さんに三股かけられて、自分はそのうちの1人だってこと、きっと知らねぇんだぜ。」




哀れんだ目をするんじゃない。




つーか勝手に話を進めるな。
いろいろとツッコミどころが多すぎる。