届け!

「かっぱ寿司行こ!かっぱ!」




「え、スシローに、」




言いかけた輝を遮って、
サッと携帯の画面を見せる。




"くら"




くら寿司がいいな。




と、文字だけでなく
視線でも訴えると、
なぜか2人とも溜め息を吐いた。




「仕方ないな…くらね、うん。
行こう、くら。」




「ま、別に味なんて俺からしたらどこも同じだし、
美味けりゃどこでもいいか。」




というわけで、あたしたちは
くら寿司で夜ご飯を済ませることになった。




仕事で遅くなる一琉には悪いけど。




組に泊まってくる猛には
ざまあみろだけど。




「行こ行こ!」




嬉しそうな柚瑠を先頭に、
あたしたちは玄関を飛び出した。




久しぶりの外食だ!
今日は思う存分食ってやろっ!




って言っても、
いつも家でもどこでも食欲は存分なんだけど、あたし。