届け!





やっと学校が終わって放課後。




楽しそうに帰っていくみんなに混じって
あたしも、龍也君にバイバイと手を振って
帰路につく。




今日の夜ご飯何かなー




たまにはお寿司とか食べたい。




みんなで手巻き寿司でもするか?




あれ、今日の夜ご飯担当誰だっけな。








「夜ご飯?
…あ、今日の担当俺か。」




帰宅してすぐに、輝に聞けば
とぼけた顔でそう呟く。




「腹減った。」




柚瑠が、お腹をさすりながら
ソファーに倒れ込んだ。




「まだ夕方じゃん。」




あたしは、
"お寿司食べたい"
携帯で打った文字を見せる。




「寿司かー
…作るの面倒だし、久しぶりに出かける?」




輝の言葉に、
柚瑠が「やった!行く!」と
可愛らしく飛び跳ねて、
台所にいるあたしたちに駆け寄ってきた。