雨の日の二人

「あ、泉が笑った」「…珍しい?」
とても、と言って私に手を突き出してきた

「…?」「ほら、早く手出して」
言われるがままに手を出すと
手のひらに少し小さめのアメが転がった

「泉も好きなんでしょ?レモン」


―好き―
何気なく言われたその一言に
過剰に反応してしまう自分に驚いてしまう


「…うん、好き」「ならよかった」
手のひらに乗った小さなアメ
黄色がかった半透明

なんとなく

本当になんとなく

このアメの色と彼の色は
とても似ていると思った