雨の日の二人

優佳に指摘されたように
やっぱり私はあの人を彼に重ねてしまっているのかもしれない

分かってる
もうあの人が私の傍にいないことなんて

でも、どうしても諦めがつかなくて
信じられなくて 信じたくなくて


「…泉?おーい」「え、あ、何?」
「またぼーっとしてる、大丈夫?」

大丈夫、とは言えなくて
小さく首を縦に動かした

「ならよかった」
と言ってまた笑って

その笑顔につられるように
少しだけ笑った