雨の日の二人

「…じゃあ、質問変えるね…どうして日向君には作ろうと思ったの?」

どうして…?
あの人だからじゃない、そう、頼まれたから

「…あの人と被ったんじゃないの?」「…っ、違う!!!」
柄にもなく大きな声を出してしまった

「…違う」

もう一度、自分に言い聞かせるように小さく呟いた
違う、被ったんじゃない、ただ…

『朱莉』


「…ごめん、意地悪言ったね」「…ううん、私こそ大声出してごめん」
長い、長い沈黙が続いた
気まずい空気を破るかのように電車が来た