雨の日の二人

「朱莉~、見てたよ~!レモンパイの約束!」

…説明する手間は省けたけど…
なんかいやな気分…


「別に…お礼だし…」
そっぽを向きながら私は答える

そう、ただのお礼
深い意味なんてあるわけないし…


「…でも、朱莉が誰かにレモンパイを作る日がくるなんてね」

意味ありげなその言葉に私は優佳のほうを向く


そこにはいつものように笑った優佳ではなく、
少し真面目な顔をした優佳がいた

「…何言ってるの?」
「…気づいてないわけないでしょ、朱莉の気持ちに」


私の気持ち…?

「いつまで引きずってるの?あの人の事」