私は一人で家路を歩きながら
もらったレモンキャンディーではなく、
自分が持っていたレモンキャンディーを舐める

「泉!!」「…!?な、何?」「送る、一人は危ないだろ?」
そう言って笑って私の隣を歩き始める
「…一人で帰れるからいい」「ダーメ、女の子なんだから素直に甘えときな」
女の子、だなんて
急に彼が男の子らしく見えてしまう自分が悔しい

さっきまで一人だったのに、急に隣に誰かいると
なぜか少し不安がなくなる


…別にこの人だからってことじゃないけど…

「あ、レモンの匂いする」
急に喋った一言は…レモン?
「アメ、舐めてるから」「マジ?俺鼻いいなぁー」
そう言いながら、同じようにアメを舐め始める
お互いほとんど無言のまま家に着いた
「…私の家、ここだから」「…マジで?俺、このすぐ近くだわ」
また笑いながらそう話す

「それじゃ、また明日」「…ありがと」
手を振ってまた笑いながら帰って行った

…日向、祐希…か