人間には…




『食欲』




『性欲』




『睡眠欲』を始めとする欲望が存在する。





人間は『欲望』がなれけば、生きていけない。





成長出来ないという人もいる、





しかしながら『欲望』を叶えてもらい続けた、





『俺』は成長したのだろうか、





また生きていると言えるのだろうか?





『俺』は小さな頃から欲したモノは





必ずと言って良いほど手に入れてきた。





むしろ、与えられてきた。





体は大きくなったが、





頭の中身はそこから変わっていない、





未だにあの『僕』のままだ…






年を追う毎に欲望は、叶えにくくなり、苛ついた。






「なんで、『僕』の欲した通りにならないのだ…?」






そのために、晴彦という人間の中にいる





『僕』は嘘と暴力と盗みを覚え、





今の『俺』になっていった。





両親の財布から金を盗む。





お金があれば、好きなモノが買える。





オモチャやゲーム、友達、恋人でさえも…






従わないモノは暴力で屈服させれば良い、





黙らせてしまえばいいのだ。





それでもダメなら神妙に涙を見せてやれば良い。





恋人も友達も弟や妹や両親であってもだ。






まぁ、そんな事をするより、





まずは嘘をつき、騙し、出し抜けばいいのだ。





疑われたら知らないフリをすればいい、





涙を流してみせればいい。簡単な話だ。





欲望にドップリと浸かり、麻痺し狂ってしまった。






狂わせてしまった…





そんなことに気が付くのはまだまだ先の日であった。





今さえ、俺さえ良ければ他のモノはどうだって良かったのだ。





欲望に麻痺した『俺』と『僕』は、





進んではならない方向へと歩き始めていった…