「聖也ってホント一途だよなー。」


ボソッと呟く優は明らかにニヤッと笑ってた。


「一途だよなーって優は、どーなの?」


なんて質問してみると優は自慢げに話し出す。


「俺はなぁ・・・いろんな女と付き合うの!」

「あー、はいはい。」


呆れる俺なんかお構いなしに語る優に一発、殴ってやった。
もちろん、軽くグーで殴っただけだけどね。


「痛っ!聖也もモテるからいろんな女と付き合ってみろよ!意外とおもしれーぞ!」


いろんな女って優ってそんなに女がいるのかよ・・・。


「お前、サイテー。」


そう言って俺はまた殴ってやった。
だけど今度は笑っている優。


「ジョークだって!つか告白すれば?」


そんな事をサラッと言われても俺は困る。
いつかは告白したいけど今は勇気がない・・・。
それにイキナリだったら吉田だって普通驚くよな?


「でもさ、吉田のどこが好きなの?」


不思議そうに聞いてくる優を見て俺は少し困った。
笑顔に惚れた。なんてベタすぎるか?でも本当の事だしな・・・。


「吉田ってさ・・・笑顔が良いじゃん?」


俺は小声で優の耳元で答えた。そうすると優はニヤッとして吉田を見た。


「俺も、それは思う。」


またからかわれると思ってたら、この発言。
いきなり真剣な顔で言うから焦る俺。
もしかして「優も好きなのか?!」と、つい大声で言ってしまった。


ダメだ、動揺してしまう。
でも優も吉田の事・・・好きだったら。
俺等はライバルな訳で・・・。


「んなわけねぇよ!安心しろよ、聖也!」


え・・・?
そうなのか。良かった。
でも他に吉田の事を好きって言う奴がいるかもしれない。
そうしたらライバルじゃん。


「まぁ、聖也も頑張れよ!」


ポンポンと肩を叩かれ少しムッとした。
上から目線かよ。
でも優は何だかんだで頼りになるし、一番の友達とも言えるから良いか。