「わざわざありがとうね、葵。加奈子も葵を遣わなくていいのにな?」
木下くんは少し笑いながら言う。
「確かに迷惑だけど、別に構わないし。あれ、蒼ちゃん今日部活は?」
首を振って答えると、木下くんの隣にいた蒼ちゃんを向く。
「今日はねーから、ちょっと学校で暇つぶし…って言いてーとこだけど、俺は今日先生に呼び出されてんの。」
とむすっとした表情で言う蒼ちゃん。
呼び出し…?
何で?
「蒼授業中寝てるのが先生にバレてね。それで生物準備室掃除になっちゃった訳。」
私の不満げな表情を見てわかったのか、木下くんは笑いながら言う。
「別に、そんなに笑える事じゃねーし」
拗ねたように言う蒼ちゃん。
