君と私。



−蒼side−


「…一人は、こ…わい…」


葵の声が、小さく聞こえた。


あぁ、こいつまた思い出したのか。


昔の事を。

俺は葵の頭を胸に寄せると、葵が震えているのを気づく。

「…葵、大丈夫。
お前は今一人じゃない。俺がちゃんといるだろ?
大丈夫だから、弁当箱とりにいって、帰ろうな?」


俺は葵に言うと、葵は小さく頷くのがわかった。


あぁ、やっぱり女をここまで守りたくなるのは、葵なのだからだろう。

−蒼side end−