はやく言ってほしい。
はやく、一刻でもはやくこの学園内から出たい。
「ぁ、あのっ!お、俺沢城さんと同じ2年で…えっと、田辺隆治って言います…
その、沢城さんがす、好きですっ!付き合ってください!」
彼は真っ赤にした顔を下げて言う。
これがいわゆる『告白』か。
まぁ、返事は決まってるんだけど…
「…ごめんなさい、私はそうゆう関係に誰ともなりたくないので…ごめんなさい。」
頭を下げて、私はそのまま裏庭を後にした。
帰ろうとした時、お弁当箱を教室に忘れた事を思い出す。
はぁ…
「一回教室に戻らなくちゃ…」
教室に戻る階段を上っていると、下がってくる見慣れた姿があった。
「蒼ちゃん!」
「葵。」
私達は目があって、同時に名前を呼び合う。
