「はぁ~…涼しい」


湯船で考え込みすぎてすっかりのぼせてしまった私は、一足お先に廊下で涼んでた。


自販機があるほうと反対側の廊下なので、人気がなくて落ち着く。


「のぼせたの?」


その声と同時に、目の前にペットボトルの水が差し出される。


「奏くん…」


「赤い顔してこっち行くの見えたからさ、どーぞ」


ありがと、と受け取ってからサイフを探していたら止められた。


「いーよ。あげる」


「……ありがと」


おごってもらうの二度目だ。


奏くんは「ココいい?」と聞いてから隣に座った。


お風呂上がりだからかな?メガネしてないや。


相変わらずキレーな顔してんなぁ。


でも早くメガネして隠してくれないと……


ん?何で私が隠したがるのさ。