「奏くんには心の中読まれまくってるからかな~」


「何が?」


「つい何でも話しちゃう」


清水の舞台まで歩きながらそう言うと、 奏くんは、あははと笑った。


「俺も、小島さんには本性バレてるからね。話しやすいよ」


……ドキン


って、ちょっと喜んでるんじゃないよ!私!


「てか、奏くんって天然フェミニストだよね」


「あはは。何、それ?」


「さらりとした一言で女心をつかんじゃうのよ、君は」


「うーん。あんまり自覚はないんだけどね」


「なおさらタチ悪いっての。今までの元カノ達に同情するわ」


「ね~。悪い男だねぇ」


奏くんは他人事のように言った。