清水寺には学業・健康・恋愛にそれぞれご利益がある3つの水が流れている。


どれか1つ飲むと願いが叶うらしい。


私はもちろん……


「小島さん、絶対それ行くと思ってた」


恋愛成就の水に手を伸ばしていたら、横から奏くんに言われた。


「奏くんこそ、それ以上頭良くなってどうするのよ」


奏くんは学業成就の水を飲んでいた。


「まぁ、学生の本分でしょ」


今日はメガネに学ランもキチンと着込んでて、本当のがり勉くんみたいだ。


「それに俺はもっと頑張らないと、兄貴と比べられるからね」


「お兄さん、さらに頭いいんかい」


あ。


奏くんはちょっと面食らった顔してる。


思わず心の声が漏れてしまった。


「やっぱ小島さんと話してると面白いや」


奏くんは例の笑顔でふっと笑った。