恋に恋して恋をする。

「きっとね、さゆと同じくらいコウタくんも不安なんじゃない?」


あっさがさゆちゃんの手をそっと握って言った。


「嫌われるなんて勝手に決めつけないでさ、彼に自分の気持ち伝えなよ」


ね?と、優しく微笑んだあっさは、聖母マリア様みたいだった。


「そーだよ、まだつき合って1ヶ月なんだし!これからじゃん」


つかさもさゆちゃんの頭をなでていた手で、肩をポンっと叩いた。


「うん……」


小さくうなずいたさゆちゃんは、ようやく少しだけ笑ってくれた。


その時、さゆちゃんのケータイが鳴った。


いつもの着うたじゃない、聞いたことないラブソングだった。