教室まで行くと、廊下でさゆちゃんとあっさが立ち話していた。


ただならぬ雰囲気で、さゆちゃんは目が赤くて泣いたみたいだった。


「おはよー……って、どうしたの?」


つかさも気づいたみたい。


「さゆちゃん、何かあったの?」


「さゆね、昨日彼とケンカしちゃったみたいで」


まだ鼻をすすっているさゆちゃんの代わりにあっさが答える。


「そんなん、私と亮平なんて毎日ケンカだよ」


「つかさんとこと一緒にしないの」


さゆちゃん純なんだから!


「ケ、ケンカって言うか……っく、私が悪いの」


さゆちゃんがしゃくり上げながら説明し始めたときに、ちょうど予鈴が鳴った。


「おーい、教室入れ~!」


今日に限って担任が早めにSHを始める。


「じゃあ、今日屋上でお昼しよ?そんとき聞かせて?」


あっさが提案すると、さゆちゃんはコクりとうなずいて涙をぬぐった。