バタン、と帰るなり部屋のベッドにダイブした。


あれから結局、5限も6限も奏くんは帰って来なかった。


のそのそと顔を横に向けて、フゥーとため息をつく。


窓際の本棚にはぎっしり少女マンガのコミックが並んでいる。


――――いつか


いつか、私も大大大好きな人ができて、せつなくて泣いたりするのかなぁ?


何て思っていた。




――――恥ずかしい。


ホントは、ドキドキするなって自分に言い聞かせながら、どこかで期待していた。


奏くんも少しはドキドキしてるんじゃないか、って。


実はあれから小島さんのこと気になってたんだ――とか言わないかな、って。


性懲りもなく、奏くんとの恋を期待している自分が見透かされたみたいで、恥ずかしかった。


恥ずかしくて、カッコ悪くて、むなしくて………涙も出なかった。