ドン!


「わっ」


廊下に出た途端、誰かとぶつかる。
よそ見してたからだ……


「ごめん……」


あっ、


「いや、大丈夫?」


奏くん……



「また保健委員?」


「うん」


「マジメだね」


奏くんはまーね、と 笑った。


「小島さんは?」


「友達待ってる間、宿題してたんだけど、ちょっと休憩……」


「そうなんだ。あれ、でも……」


奏くんは何か言いかけてやめた。


「何?」


「いや、何言おうとしたか忘れた」


「えー!何それ?
おじいちゃんみたい」


私が冗談まじりに笑うと、奏くんも笑った。


「私、飲み物買って来ようと思って。
もう行くね」


「あ、うん。バイバイ」


「バイバイ」


手を振って別れた。