恋に恋して恋をする。

「つっかさ~!」


噂をすれば、佐々木くん。


「え!?亮平、早くない?」


「今日はテスト明けだから走り込みだけ。ダッシュで終わらせた」


佐々木くんはニカっとVサインして、


「てか腹へったぁ~!メシ食ってね~」


と、教室の柱に絡みついた。


「はいはい、わかったから。
ごめん、ちはる…」


つかさは申し訳なさそうに片手を上げた。


「いーって、早く行きなよ」


「これ、あげるから」


つかさはポッキーを置いて、手を振った。


仲良さげな二人の声が、だんだん小さくなって消える。





……………はぁ……いいなぁ。



大きなため息をついて、机に左頬をくっつける。