恋に恋して恋をする。

「じゃ、そろそろ行くね」


あっさはカバンを肩にかけて手を振った。


「いってらっしゃ~い」


今日はテストの最終日で、さっそく部活の練習をする人もいる。


ちなみにあっさは吹奏楽部。


「てかさゆちゃんもそろそろ行かなくていいの?」


さゆちゃんは 今日も塾だけど、例のカレシと待ち合わせしているらしい。


「う、うん、もう行く」


食べるのがすっごく遅いさゆちゃんは残りのお弁当を一生懸命たいらげた。


「ご、ごめん。じゃあね、バイバイ」


「バイバーイ」


さゆちゃん、嬉しそうだなぁ…


「さーて、亮平が来るまで菓子でも食うか!」


つかさはカバンからポッキーを取り出した。


亮平ってのはつかさのカレシで、隣の6組の佐々木くんのこと。


佐々木くんはサッカー部で、つかさは練習を終わるのを待っている。


つまり、用事もないのに居残ってるのは私だけ……