あれから結局、奏くんとは一度も話していない。


今の席は離れ過ぎているから、わざわざ近くまで行って話すのは目立つし。
それに奏くんは昼休みとかよくいなくなる。


なかなか話す機会がなくてウズウズしてたんだけど、席が前ならしゃべっても不思議じゃないもんね?


あ~…テストが楽しみなんて生まれて初めて♪


「ちょっとちょっと、ホントどうしちゃったのよ?ちはる。
勉強してなすぎておかしくなった?」


「ふっ……大丈夫よ、つかさちゃん。
勉強してないのなんかいつものことじゃない」


うっとりとした目で答える。


「ヤバい……。あっさ!さゆ!
ちはるが壊れた!」


つかさはギャーギャー言いながら、向こうで参考書を見ている2人のところへ飛んでいった。


……ごめんね、つかさ。


今はまだこの気持ちを話すわけにはいかないの。