「うぅ……大丈夫かな、つかさ」


私は心配そうにため息をついた。


「ちはるが森下くんとつき合うの迷ってるのは、好きになれそうにないから?」


「いや、いいヤツだし、好きに……なれると思う。ぶっちゃけ1年ときは気になってたし……」


私はブツブツと言い訳のように言って、ペットボトルのお茶を一口飲んだ。


「じゃあ、迷ってるのは……もしかして、他に気になる人がいるとか?」


気になる人――――


そう言われて、一瞬、奏くんの顔が頭をよぎった。


いや、違う!違うから!


取り消すように頭をブンブン振り回してると、あっさに止められた。


「ちょっと、ちはるっ。落ち着いて」


「あ、ご、ごめん」


あっさは優しい目で私を見つめながら、ゆっくりと隣に座った。


「あのね、ちはる。違ったらごめんね?」


「え?」


「もしかして、今思い浮かべたのって……奏くん?」