「まぁまぁ、つかさ。そんなに焦って決めることじゃないし」


あっさが いつも通り間に入ってくれる。


「そうだけどさぁ……」


少しブーたれるつかさ。


「そ、そういえば、さゆちゃんは?」


ごめん、つかさ。とりあえず話題変えます。


「彼氏と電話してるよ。昨日は連絡できなかったみたいだから」


「そっかぁ、ラブラブだぁ」


そう言ってから、つかさはニンマリ私を見た。


「まぁ、ちはるももうすぐだけどね~」


「だから……」


ブー、ブー、ブー。


サイドテーブルに置いてあったつかさのケータイが鳴って、カタカタと揺れた。


「あ、メール。亮平からだ」


内容を読むなり、つかさはニヤニヤして私のほうをチラリと見た。


「ちょっと亮平んとこ行ってくるね」


つかさはパーカーを羽織ってポケットにケータイを突っ込むと、いそいそと出かけた。


「ちょっ、つかさ!余計なこと言わないでよっ」


つかさは後ろ姿のままバイバイした。