―中学3年4月
 吹奏楽部部室

今日は掃除がなかったので、ちょっと早めに部室に来てみた。

「こんにちはー!…あ、千咲先輩、進級おめでとうございます(笑)」

「…みっちゃんも言うようになったじゃん」

「え、普通にお祝いしただけですけど、何かいけませんでした?」

「ぐ…パートリーダー兼部長に向かってー!」

「わー、ごめんなさい!ごめんなさい!先輩大好きですから許してくださいー!」

「素直でよろしい^^」

「(て、天使と悪魔…)」

今年から私は中学3年生。
そして、去年入部してきた先輩方は高校2年生となった。

大槻学校は勉学第一の学校で、高3生は夏を待つことなく、この時期に部を卒業となる。

「また明後日から部活体験も始まるし、気合い入れて勧誘しなきゃね~」

「げえー…部活体験があったんだ…」

「へえ~、みっちゃん、僕たちが体験に来たときもそんなこと思ってたんだ~」

そう言って部室に現れたのは、高校2年生になった釘田優喜先輩。

「そ、そんなこと…ない…こともない(汗」

「ひっどー」

「だ、だってー!」

「釘田ーそこら辺にしときなよー」

「えー」

「で、でも、最初は確かにそうだったかもしれませんが、今は私、先輩方大好きですから!」

「みっちゃん可愛いー!ありがとうー!釘田なんてほっとこー」

「なっ、いいよ!もう!冗談だって!悪うござんしたー!」

「先輩の、そういうとこも大好きですから^^」

「調子いいこと言っちゃって…」

あ、ちょっと照れてる(笑)
釘田先輩、いつもは結構お調子者っぽいのに変なとこ真面目で緊張しいなんだよねー

「「こんにちはー」」

「花火ー!凪ー!」

「あー、行っちゃったよ(笑)」

「素直でいいじゃない。それってやっぱ大切じゃない?」