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私の隣の席はつい最近転校してきたのに
たった一週間で班長になってしまった人

確かに…面白くて明るくていい人だけどね
隣の席だと色々女の子から言われて
あんまり好きじゃないんだ.

キーンコーンカーンコーン

あ、今から理科の授業だ

「…なぁ.シャーペンかしてよ」

突然.隣の席のバロが教科書で顔を隠しながら
小声で言ってきた

え…自分のは?
「…ある」

じゃあ自分の使いなよ.

お気に入りのシャープペンを貸したくなくて
つい嫌な言い方になってしまったかも.

隣をチラッと見るとバロは
もうすでに前を向いていてどこかしら
不機嫌に見えた

怒らせちゃった…かな

その授業の時間はそのことばっかり
頭に残っていた

授業が終わって友達のところに移動しようとすると
突然バロが手を引いてきた

な.なに!?

でもバロはなにもしなくて

ただずっと笑顔を向けてるだけ

謝ってほしい…のかな?
さっきは…ごめんなさい!!

そんな考えが頭をよぎってつい勢いで
言ってしまった

「ぷ…はは」

突然彼は私の手を離して笑い始めた

「好きだよ.そういう子」

笑いながらサラッと言ったけど
言ったけど…言ったけど!!!

好き…だって…

赤面になって突っ立ってると
バロがにやりとした笑みをうかべて近寄ってきた

「俺面白い子好きだよ?」
いたずらっ子のように何度も繰り返し言ってくる

つい…答えてしまったんだ
本当に?って.

それから毎日バロは話しかけてきた

時にはお昼を一緒にした
性格もいいバロに心をひかれた

でも自分からは言い出せなくて.
もやもやしてたとき.

バロにはバレてしまったみたい
「俺に惚れた?付き合う?」
なんて言ってきた

赤くなって黙っていると
いじわるばっかり言ってくる

「…返事はわかってるんだから」
耳元でボソッとつぶやく.

恥ずかしくなって顔をそむけた

「早くしないと俺…他のコにとられちゃうよ?」

もはやYESしかだせない
いじわるなバロに勢いよく抱きついた

「それで精一杯なんだね」
フッと笑うと静かにおりてくるキス

初めての彼氏ができました