それは、ある冬の事だった―。


「はぁはぁ」


遅刻しそうな、雪が降る朝。

私は凍った道を、何の気もなしに走っていた。


「あっ…っ」


途中、坂道で滑ってこけてしまった。

こんなことは冬になればよくあること。