羽をくれた君~side陸~【完】






暖かい。





目を覚ますと俺は奈緒の手を握っていた。



そして涙をこぼしていた。


起きあがり、涙をぬぐう。



「ん・・・陸さん・・・あたしまた寝ちゃって・・・!?」



奈緒が俺の顔を見て飛び起きた。



「な、泣いてるの!?どーしたの!?なんか嫌な夢でも見た!?」



「・・・いや」


驚いている奈緒を抱き寄せた。




「いい夢だったよ」




とてもいい夢だった。



夢の中でもお前は俺を救ってくれるんだよな。



今度は俺がお前を守る番だ。



一生かけて守りたい。



この暖かくて小さな優しい手を。






愛してるよ   


      奈緒






END.