羽をくれた君~side陸~【完】




疲れたのか、すやすやと俺の腕の中で眠る奈緒。


サラサラの髪を撫で、頬にキスをした。


今本当に幸せだと感じる。



寝顔を見ていたら俺もいつの間にか眠りについてしまった。





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ひっく・・・ひっく・・・く・・・



誰かが泣いている。



子供?



小学生くらいの男の子がうずくまって泣いている。


その瞬間、周りの景色が現れた。


見慣れた街並み。ここは岩沢(児童養護施設)だ。


これは夢か・・・?




「陸くん」



振り返ると佐々木さんがいた。