羽をくれた君~side陸~【完】



ネクタイで縛られた両腕に、片足は鎖で繋がれている。


制服のボタンが飛んでいて、下着を露わに乱れた格好のままベッドに横たわっていた。



俺は血の気が引いた。



「り・・・りくさん!?」



奈緒の声にハッとし、すぐさま手を自由にし、ボロボロになったシャツを着せると、震えていた体を強く抱きしめた。



「・・・わりぃ・・・」



こんな言葉しか出てこねぇ。



俺は・・・また同じ事を繰り返してしまったのか。


自分の不甲斐なさに反吐が出る。



・・・なのに奈緒は俺を強く抱きしめ返してきた。


顔を見るとにっこりとほほ笑んでいる。



「・・・おい!!!」



親父が部屋に入ってきた。




「お、おまえらこんな事やっていいと思ってんのか!!」



こいつを今すぐ殺してぇ。


俺の手の震えは止まらなかった。気が狂いそうだ。