玄関が開くのと同時に強引に中に入った。
奈緒の親父が俺たちを見るなり驚愕した顔をしていた。
細身の体によれたスーツ。ボサボサの白髪交じりの髪の毛はこの家には似つかわしくない格好だった。
瞳孔が開いた目で俺達を睨んでいる。
こいつ・・・!!
親父はめいいっぱい両手を広げ、廊下を塞いで俺らを中へ行かせない様にしていたが、俺はその手を簡単に捻り上げる。
「な、奈緒はここにはいない!」
しかめっ面のこの親父の腕を、更に反対方向へ曲げると悲鳴を上げた。
「し・・・しおりーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
その時、部屋の中から奈緒の声がした。
親父が舌打ちしたのと同時に亮が親父の両手を押さえつけた。
その隙に声がした部屋のドアを開けると・・・
奈緒がベッドに縛られていた。



