羽をくれた君~side陸~【完】



百合



俺はお前に誓ったんだ。


この先誰も愛さないで一人で生きていくと。


お前だけを想って生きていくと。



その想いは今も変わらない・・・だけど。



俺は気付いてしまった。



ふとした時、いつもあいつの事ばかり考えている事を。




奈緒の素直で優しい所や、真っすぐに俺を想う気持ちを感じ、惹かれている事に気付いていながら考えない様にしてきた。


想いに蓋をしていた。


これは恋なんかじゃないんだと。

一瞬の迷いなんだと。



そう思わないと自分が崩れてしまいそうだった。


百合を裏切ることになる。


でも


あいつの。奈緒の顔を見ると抱きしめたくなる。


愛おしく感じてしまう。


そんな自分の感情にこれ以上嘘は付けなかった。