羽をくれた君~side陸~【完】


俺は奈緒に、どうして2人でいたのかと問いただした。



「・・たまたま・・街であって・・」



声が震えている。

たまたまだと?本当かよ。



「あいつから何か聞いたんだろ?」


「・・・ううん・・」


「嘘つくな」



この様子じゃ絶対何か聞いたに違いない。

広樹は口が軽い奴じゃねーけど、こいつにならしゃべってそうだ。

奈緒の方を振り向くと、怯えた目をして見つめていた。



「・・あたし陸さんの事、何にも知らないから・・知りたかったの・・」



なんでこいつは俺の事そんなに知りたがるんだよ・・・



「おめーには関係ねーことだから・・知らなくていーんだよ」


「関係・・あるよっあたし・・・彼女でしょ・・?」


「は?」



「でも・・あたしとはお遊びだもんね・・・
最初に本気にならないって言ってたし・・・
陸さん、百合さんの事、忘れられないもんね・・・?」